📖 熱中症指数とは
熱中症指数とは、熱中症の起こりやすさを1つの数値で表した指標です。正式名称は「暑さ指数」、英語では WBGT(Wet Bulb Globe Temperature/湿球黒球温度)といいます。単位は気温と同じ「℃」ですが、意味はまったく別物です。
算出には次の3つの温度を使い、屋外では以下の比率で合成します。
- 湿球温度(7割):湿度の影響。汗が蒸発して体を冷やせるかどうかを表す。最も重みが大きい。
- 黒球温度(2割):日射と地面・建物からの照り返し(輻射熱)の影響。
- 乾球温度(1割):いわゆる気温。実は最も影響が小さい。
気温の寄与がわずか1割という点が重要です。「今日は30℃だから大丈夫」という判断が危険な理由が、この配分に表れています。
🚦 熱中症指数の指数表(危険度レベル)
日本生気象学会と日本スポーツ協会の指針にもとづく5段階です。日常生活と運動で、それぞれ行動の目安が定められています。
いまの数値を見る → 今日の暑さ指数(WBGT)全国一覧
📊 気温と湿度から読む熱中症指数早見表
室温と湿度がわかれば、この表からおおよその熱中症指数が読み取れます(屋内・日射なし・微風の想定)。横に見ていくと、湿度が20%上がるだけで危険度が一段変わることが分かります。
| 気温\湿度 | 40% | 50% | 60% | 70% | 80% | 90% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 24℃ | 18.0ほぼ安全 | 19.1ほぼ安全 | 20.2ほぼ安全 | 21.2注意 | 22.1注意 | 23.0注意 |
| 26℃ | 19.8ほぼ安全 | 21.0注意 | 22.0注意 | 23.1注意 | 24.1注意 | 25.0警戒 |
| 28℃ | 21.5注意 | 22.8注意 | 23.9注意 | 25.0警戒 | 26.0警戒 | 27.0警戒 |
| 30℃ | 23.3注意 | 24.6注意 | 25.7警戒 | 26.9警戒 | 27.9警戒 | 29.0厳重警戒 |
| 32℃ | 25.0警戒 | 26.4警戒 | 27.6警戒 | 28.8厳重警戒 | 29.9厳重警戒 | 31.0危険 |
| 34℃ | 26.7警戒 | 28.2厳重警戒 | 29.5厳重警戒 | 30.7厳重警戒 | 31.8危険 | 32.9危険 |
| 36℃ | 28.5厳重警戒 | 30.0厳重警戒 | 31.3危険 | 32.6危険 | 33.8危険 | 34.9危険 |
| 38℃ | 30.2厳重警戒 | 31.8危険 | 33.2危険 | 34.5危険 | 35.7危険 | 36.9危険 |
| 40℃ | 32.0危険 | 33.6危険 | 35.0危険 | 36.4危険 | 37.7危険 | 38.9危険 |
屋外・直射日光下ではこの値より2〜4ポイント高くなります。炎天下では気温28℃でも「厳重警戒」相当と考えてください。
🌡 気温との違いを具体例で
同じ気温でも、熱中症指数はここまで変わります。
- 気温32℃・湿度40%(からっとした晴れ):指数はおよそ25。「警戒」レベル。
- 気温32℃・湿度80%(蒸し暑い日):指数はおよそ30。「厳重警戒」レベル。
- 気温28℃・湿度90%(雨上がりの晴れ):指数はおよそ27。気温は低いのに危険度は高い。
「今日は30℃もないから平気」と考えて倒れるのは、たいてい3つ目のパターンです。梅雨明け直後や雨上がりの晴れ間は、体が暑さに慣れていないことも重なって特に危険になります。
🚨 熱中症警戒アラートとの関係
熱中症警戒アラートは、府県予報区内のいずれかの地点で暑さ指数が33以上と予測されたときに発表されます。つまりアラートは、この指数がしきい値を超える見込みかどうかで決まる仕組みです。
逆にいえば、アラートが出ていない日でも指数が31を超えることは珍しくありません。アラートの有無ではなく、実際の指数で判断するのが安全側の使い方です。
今日の発表状況 → 今日の熱中症警戒アラート / 仕組み → 熱中症警戒アラートとは
✅ 場面別・指数の使い方
部活動・体育
28以上で激しい運動は中止、31以上は運動中止。屋外グラウンドは表示値より高くなります。
屋外作業・現場
WBGT計の設置が推奨されています。28を超えたら作業間の休憩を制度として組み込みます。
室内で過ごす
屋外の値では判断できません。室温と湿度を測り、上の早見表にあてはめてください。
高齢者の見守り
31以上の日は、安静にしていても発症します。電話や訪問で室温とエアコンの使用を確認します。